免震装置に関するよくある質問
免震装置全般とアブサーバーに関するよくある質問の中で、
地震や免震に対する正しい知識のために、分かりやすくまとめました。

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地震について
+ 地震は何故起きるのですか?

地震は地下の岩盤が破壊されたときの衝撃です。
この衝撃が地震波として地表まで伝わり、我々が感じる地震となります。
それでは、何故岩盤が破壊されるのでしょうか?
岩盤は厚さ数十キロメートルの岩の板で「プレート」と呼ばれています。
地球表面には様々なプレートに分かれており、これらはおのおの別々の方向に年間数センチ動いています。
プレートどうしがぶつかり合う場所(ひずみ)では、それぞれ力が加わり、この力が地震を起こす源となっています。

+ マグニチュードと震度って?

「マグニチュード」は地震そのものの大きさ(規模)を示すもので、地震の発生した場所から大きさを出します。
これに対し「震度」は地面のゆれの強さを示すもので、震源地から様々な場所に伝わり、その場所で感じるゆれの大きさとなるため、場所によって震度は異なります。

震度の概要
「気象庁震度階級の解説」より引用
+ 直下型ってなに?

地震には「直下型地震」と「海溝型地震」が有ります。
直下型はプレートどうしのひずみが都市の真下で起きた場合を言います。
これに対し海溝型は海底でプレートが地球内部に入ろうとする場所などで起こります。
岩盤が引きずり込まれようとし、それに対し戻ろうとする力が加わり、この戻りのはね返ったときの場合を言います。
この海溝型は非常に規模が大きいのが特徴です。(関東大震災はこの海溝型です)

+ 縦ゆれと横ゆれはどう違うのですか?

地震が起きると、その衝撃は震源から放射状に伝わっていきます。
地震の波は「P波(縦波)」と「S波(横波)」の2 種類があり、P波は直進方向に進み、S波は波の方向に対し垂直方向に振動します。
なのでP波はS波より2~3 倍早く伝わります。
ですので最初にゆれをもたらすのがP波で小さくゆれます。次に大きなゆれをもたらすS波がやってきます。

+ 軟弱地盤は地震に弱いってホント?

震源から出た波は、固い地盤から軟弱な地盤に入ったときに、「振幅」つまり地震のゆれ、が大きくなります。 地盤が軟らかいほど、振幅の増幅率が大きくなり、急激に地震が大きくなり被害が大きくなると考えられています。

+ 日本は地震が多いってホント? 日本では地震対策が必ず必要ですか?

本当です。日本は国土の周りのほとんどにプレートの断層が有ります。
世界各都市の自然災害リスク(ミュンヘン再保険算出)は、東京が710指数に対し、ロンドン30、パリ25、北京15、ニューヨーク42と、断トツの1位となっています。
この評価からも、我々は日頃から地震による対策(リスクヘッジ)を行わなければならないのです。

免震の技術について
+ 免震装置が共振するとどうなりますか?

共振は、外部から与えられた刺激により固有振動を起こすことです。
共振のシステムとして、振動する振り子が単純な例として挙げられます。
振り子を押して系に振動を励起することにより、振り子はその固有振動数で振動を始めます。 振り子の固有振動に近い周期で振動を与えると、振動の振幅は次第に大きくなります。
しかし、固有振動と大きく異なる周期で振動を与えると、振幅は大きくなりません。
免震装置の持っている固有振動数と同じ地震が起きた場合、やはり共振してしまい、 そうなると、振幅が大きくなり、いずれ最大変位数(動く幅)を超え、外れてしますことになります。
免震装置を選ぶ場合は、この共振に対する免震能力が重要になり、アブサーバーはその点では合格商品です。

+ 減衰と復元と有りますが、分かりやすく説明してください。

復元性とは、元の位置に戻る能力のこと。地震後に速やかに元の位置に戻す能力でアブサバーでは位エネルギーの変動を利用して復元能力を実現しています。
減衰性とは、入力振動を吸収する能力のことで、地震時のエネルギーを吸収して、建物床面との相対変位を抑え、 地震終了時には振動を速やかに停止させる能力。アブサーバーではマーブルと上下プレートの摩擦を利用しています。
免震装置の能力としては、減衰と復元の相反する能力を実現することが望まれます。

+ 耐震・免震・制震の違いは何ですか?

「耐震」とは、建物自体の強度を高めて地震のゆれに耐えられる建物にすること。
これに対し「免震」とは、基礎部と上部積載物の間に免震装置を配置し、地震の振動を上部に伝わりにくくすること。
また一方「制震」とは、躯体に特殊な粘性体を充填したり、ダンパーによってゆれを吸収することを言います。

  • 耐震・免震・制震の違いの詳細はこちら
+ 建物自体が免震化されているのに免震装置は必要ですか? 免震工事だけで十分ではないですか? 効果はありますか?

免震建物には特に必要ないですが、免震装置の特性を把握して検討する必要があります。
ただし、耐震建築の場合は、建物自体が強固な構造となり、地震に耐える構造のため、中にあるものや人は関係なく、 振動をもろに受けるため、免震装置は必要となります。

アブサーバーの製品について
+ 他社と比べて何が違うのですか?

  • 装置特性の中で免震効果に大きく影響する減衰性能をベアリングにより調整可能。
    従って、搭載物の特性に応じたカスタマイズができ、微振動での免震から低レベルでの地震には反応させないなどの調整が可能となる。
  • 軽量・シンプル構造で設置に特別のの技術者を必要としない。
  • 減衰と復元を実現できる数少ない商品。
  • メンテナンスフリーで何度地震が起きても、そのまま長期使用が可能。

+ 軽いものを載せた場合でも、免震機能が発揮できますか?

装置が振り子運動をするので、装置の周期(復元力)は載荷荷重に左右されることがありません。
また減衰力は摩擦力を基本としているので、載荷荷重に見合った減衰力を得られる機構となっていて、載荷荷重が軽量でも充分免震性能が発揮されます。

+ 震度いくつまでOKですか?

地盤の状態や建物によって変化するので、震度階で表現するのは難しいですが、基本的には通常の建物が倒壊するぐらいまでは充分機能します。

+ 振動実験を見ることは可能ですか?

都立産業高専品川キャンパスで見ることが可能です。

+ 縦揺れにも効果があるのですか?

水平方向のように劇的に免震することは出来ませんが、オプションの特殊剛性ゴムマットにより効果を発揮させることが可能です。

+ 各種実験データの信憑性は?公的機関又は他の企業、団体、協会等より評価(お墨付き)を得られていますか?

以下の機関での振動実験で免震性能が実証され、また公的認定・特許などを取得しています。

  • UR住宅技術研究所での3次元振動実験
  • 首都大学東京・都立産業高専などでの学術論文
  • 経済産業省・関東経済産業局新連携事業認定
  • 東京都品川区・工業活性化支援事業認定
  • 東京トライアル発注認定制度認定事業
  • 全国中小企業団体連合中央会・実証支援事業
  • 首都大学東京の協力の元、都立産業高専との産学共同開発
  • PAT第2878626号 マーブルベアリングによる横揺れの減衰力
  • PAT第3249451号 マーブルベアリングによる横揺れの復元力
  • PAT第3340707号 減衰パットによる免震装置
  • 特許公開2006-283959 マーブルベアリングによる免震装置
商品の保証、返品、交換など
+ 保証期間や保守?

本免震装置はメンテフリーです。保証は30年です。
電気やモーター、油圧、バネなどの駆動装置は一切使っていないので、鉄やアルミプレートの自然劣化だけが保証範囲外になります。

+ 商品の返品、交換は?

納入時に組立できないなどの問題があれば、無償で交換します。
納入後の返品はできません。